2023年9月。
コロナ禍も徐々に収束し、数年間取り行わなかった「地域のお祭り」が復活してきた。
※地域のお祭り → 特別有名じゃ無いが、地域の人が楽しみにしているお祭りのことさ。
ぼく、しゅどんどん(変な名前〜🤭)の住む東京の片隅でも約3年ぶりの「地域のお祭り」が開催された。
コロナ禍の真っ最中に越してきた為、ぼくにとっては初めてのお祭りだ。
比較的のほほんとした我が街に、活気ある雰囲気と見たことない数のハッピとふんどしを装備したおじさんたちが現れた。
完全装備を手に入れたおじさん達は残暑など全く感じていないような弾ける笑顔で神輿を担ぎ、地域の神社へ掛け声を上げながら向かっていった。
ぼくはその姿を見て、「あ〜〜〜!町内会に入っておけばよかった〜〜〜!」と、所属欲求がと爆発した。
「地域のコミュニティに所属したい!」
原始的な欲求の発現に、ぼく自身驚いた。
ぼくは本質的に小心者のひねたニヒリストである為、自分がどの集団にも馴染めていないことを正当化しようとして自分が所属できない集団をハナっからバカにする癖が染み付いてしまっている。
そんなお終いのぼくが、素直に所属したい気持ちに駆られてしまった。
理由はいくつかあるが、ひとえに限界なのだ。1人でこの東京というMAD CITYを生きることに。
ピンとこない方はぜひ休日に予定もなく渋谷を歩いてみてほしい。
大量の名前も知らない人たちがすれ違う時に受ける風のなんと鋭利で冷たいことよ。
この街は他人が多すぎて、人がいない。
月のない夜の海岸線、足跡のない雪原を歩いているかのようだ。
孤独という名の虫は
少しずつ、心臓の隅に小さな穴を食い開けて、ゆっくりと浸食していく。
都会において一人ぼっちであるというアイデンティティは、心地よく甘く、苦い毒だ。ぼくは極彩色の苦味に魅了された小さなゴミムシだ。
そんなぼくが、あんな大きな神輿を担げるだろうか。
ああ!
町内会に属する彼らは同じ服装をして
キリンビールを中心とした円を公道築き
プラカップを右手に、アイコスを左手に宴を開いている。
お祭りの間、集団でいる彼らは最強なのだ。
ぼくは彼らのように、強くなりたかった。
彼らが神輿を担いでいる際に、弾ける赤い赤い鬼灯のようか汗は
陽射しを避けるぼくの、青白い肌から滲むそれと、同じであるだろうか。
ぼくは冷房の効いた部屋でポテナゲをウーバーイーツで注文しながら
祭囃子を冷たい背に受けながら、自分宛の問いを壁に投げつけた。