今日の怒られレポート「電話にて」
僕は会社で電話番をしている
主にお客さんの問い合わせを受ける役割だ(在庫状況確認とか、発注とか)
半年くらいこの業務を担当していると、なじみのお客様と雑談することもある。
ところが、自分は育ちの悪さからか大体3日に一度くらいはお客様にお叱りを受ける
なぜ自分が怒られたかよくわかっていないので
レポートを書くことで再発を防止しようと思います
すれ違い
今回お叱りをいただいた方はお客様の長谷川さん(仮名)
長谷川さんは新人の僕にも優しく腰の低い女性で、声が若々しい。
アイドル声優さんみたいに高い声をしている。
電話口だけの関係であるため、僕は勝手に長谷川さんは若い女性と勘違いしていた。
ある日、長谷川さんからいつものように電話がかけられてくる。
今回長谷川さんは機嫌がよかったらしく雑談を始めてくれた。
長谷川さん「やまうちくん、新人ってことはいま23歳?お若くていいですねえ」
ぼく「いやいや、長谷川さんもお若いじゃないですか。おいくつでしたっけ」
長谷川さん「ええ!?私はもう中学生の子供もいますし、やまうちさんのお母さんの年齢に近いですよ」
衝撃の事実だった。
ぼく「ええ!?意外だなぁ。すごく若々しいですよね長谷川さん」
長谷川さん「そんなことないですよ~!」
このとき、僕はなぜか長谷川さんを褒めてあげようという気持ちになった。
いつも優しくしてくれているし、仲良くなってみたいからだ。
ぼく「いやいや、本当にお若いですよ。桐谷美玲似の美人だと勝手に想像していましたよ!」
長谷川さん「はは...がっかりしました~?」
ぼく「いや、大丈夫です!自分熟女好きなので大丈夫です(なにが大丈夫だ。)声が本当に若いですし。声帯って歳とらないんですかねえ~。声帯はピチピチですよ、長谷川さん」
長谷川さん「ははは...」
ぼく「20代前半くらいに聞こえますよ!声は!すごいなぁ。」
長谷川さん「……」
ぼく「きっとおばあちゃんになっても声はずっとお若いんでしょうねぇ。声が若いって得だなぁ。声だけだったら誰でも惚れちゃうかもしれませんね」
長谷川さん「ええ...じゃあ、あの、失礼します...」
ぼく「あ、はーい。」
この時、僕は完全に長谷川さんは照れていて、口数が少なくなっているのだと思っていた。
長谷川さんのハートは完全につかみ切ったと、長谷川さんもうれしったかろうと本気で思っていたのだった。
数時間後、長谷川さんのお店を担当している営業が血相を変えて僕の所にやってきた
長谷川さんを若いといったから、営業に何かしら褒められるのかと思ったら、違った。
営業「やまうちくん、長谷川さんになにいったの?」
ぼく「え...声が若いってホメました...」
営業「長谷川さん、おばさん扱いされたって言ってめちゃくちゃ怒ってるよ。」
ぼく「え...!?」
僕が電話を終えた段階でちょうど営業が長谷川さんの所へ行ったらしい。
その時に、普段は優しい長谷川さんが怒り狂った表情で営業にどういう教育をしているのか問いただしたようだ。
自分は完全にほめたつもりだったから、非常に驚いた。
おそらく、顔が見えないから事実だけ褒めようとして「声」だけ異常にほめたから
長谷川さん的に「声以外はクソババア」と感じられたらしい。
営業に事の顛末を話すと
中華料理屋の排気ダクトくらい大きなため息を吐いて僕の上司と話し込んでいた。
その後、僕は上司と営業にしっぽり怒られた。
女性に年齢を聞かないこと
女性が実年齢より若く見えてうれしいのは肌だけということ
調子に乗る段階が早すぎるということ...
女性というのは難しい生き物だなあと思った。
僕は褒めたのだから、怒らないでほしいという思いで頭がいっぱいだった。
御願いだから怒らないでほしい...いやだ...
そういう気持ちと裏腹に上司と営業はしっぽりと叱る。
こんな悲しいこと、あるんだ。
とりあえず1か月、長谷川さんの所からの電話を受けることは禁止された。
窓際族への道が、また一歩進んだのだった。
そしてもう、優しい長谷川さんはどこにもいなくなった・・・