しゅどんどんずんどこブログ

書いちゃうよ~!

孤独な蟹味噌

磯丸水産へ行った。

 

磯丸水産はすごくいいからだ。

 

磯丸水産は、この世のあらゆるいいものを集めた大きな概念である。

 

磯丸水産は、見た目には向こう側が透けて見えるくらい薄い水色の大きな球体である。

 

アルコールと海産物を求める人が多く集まると、それらの人々の欲望とこれまでの善行に応じて半径の広い球となる。

 

必然、人が多いところの磯丸水産は、それはそれは大きな球体となって突如として現れる。

 

その出来上がったばかり球体の中に一番最初に入った人は磯丸水産の店長となる。

 

店長となった人間の「確定申告って面倒くさいなぁ」という思いに応じ、磯丸水産の元となる球体が濃く色づき、濃ければ濃いほど生中ジョッキの温度が下がる。

 

そんな優しい概念、磯丸水産は思考力を失ったアルコールピーポーへ、平等に蟹味噌を分け与える。

 

蟹味噌を得た人間は、知恵を持ち、物を焼く、会話をする、海老を剥くといった行動を開始する。

 

いずれ知恵を持った人間は、網の交換を行うたびに、蟹味噌の存在に疑念を持つ。

 

蟹味噌は、味噌というが、実際はなんなのだろうか?

 

味があるだけの存在。

味噌ではないもの。

蟹の中に存在し、本来は蟹とともに消滅すべきもの。

我々は味という存在に、蟹味噌という名札をつけているだけではないだろうか?

 

その疑念を捨てきれず、人間は唐揚げと、つきだしのはんぺんを口にする。

 

ありありと存在感を見せるそれらに人間は魅了されてしまう。

 

そしていつしか、味の概念そのものになってしまった蟹味噌は、網の端っこへ追いやられる。

 

網の端っこで、ただただ焦げるだけの孤独な蟹味噌。

認知をされず、悲鳴をあげることも許されない蟹味噌。

 

 

俺は、俺は…。

俺は、蟹味噌だ…。

 

俺こそが…蟹味噌なんだ…。

 

いつか…。

「オモコロ杯に出すぞ」と言う意気込みと友達の彼女とその親と

第五回オモコロ杯が、始まる。

バーグハンバーグバーグという、ぼくが愛してやまない会社が運営する、ぼくが愛してやまないオモコロというメディアで開催する、ぼくが憎んでやまないおもしろ記事の賞レース。

 

僕はこれに全てをかけている。

 

クソクソカスカス無個性うんちライターとして活躍するフォロワー200人越えの僕にとって、チャンスだ。

 

僕は自分のことがこの世で一番面白いと思っているし、気は優しくて力持ちだ。

 

脱税だって、しない。

 

この世で一番面白い僕は、オモコロ杯にだして、優勝をかっさらって、クソカス無個性んちライターからモテモテふわふわ無個性うんちライターへ羽化するのだ。

 

かといって、オモコロ杯を優勝することは難しい。

 

この世で一番面白いと噂されるあの、ぼくでさえ2度優勝を逃している。

優勝を逃しているというか、なんか、賞的なものとかに、何も引っかからなかった。

 

この世で一番面白い、僕が、だ。

 

僕は一番面白いのに。

 

友達もいないし、仕事もできない僕は面白くなければ採算が、合わない…。

 

しかし、一つ問題がある。

 

 

 

 

おもしろい事が、何にも、思いつかない…。

 

 

おもしろい事が、何にも、思いつかないのだ。

 

むっずかしいのだ、おもしろいことって、むっずかしい。

 

ぼくは、基本的に多趣味でもないし、好きなものもない。

何にも情熱がない男は、何にも応用が利かず、人のモノマネを追従するしかないのだ。

しかし、拙い技術で真似た記事は、深海のように冷たく息苦しい仕上がりとなる。

 

残念なことだ。

 

しかし、出すしかない。ぼくは一番面白いわけだし。

ぼくが一番おもしろいことを証明するには賞レースとかで結果を出すしかない。

 

大変だね。

でもがんばるよ。

オモコロ好きやけん。

 

 

 

 

これはどうでもいいけど、友達の彼女のお母さんに手編みのマフラーを貰った。

 

相当な多角関係レンアイが、始まる予感がする。

 

JKの太ももに付いたスカート跡の話

JKなぁ。

 

JKだよ。

 

JK…。

 

JKの良さは改めて語る必要もない。

眩く光り、近づくものを焼き尽くす太陽だ。

良いに決まっている。JKは、良いに…。

 

そんなもの、語りつくせるはずがないのだから。

どう転がり落ちても、良いんだから。

 

 

本題だ。

JKが、椅子に座るだろう。

そうすると、プリーツスカートが自然、折り込まれる。

折り込まれたプリーツスカートは椅子とJKの太ももに挟まれ、段差を作る。

 

そうすると、どうだ?

 

いや、どうだ?ってなんだよ。

 

まあ、プリーツスカートが段差になって、JKの太ももに筋みたいな、跡がつくだろ?

 

あれ、なんだよ、もう。

 

ダメじゃん。そんなんしたら。

生まれて20年たってない新鮮な太ももにさ、跡つけちゃうじゃん。

 

水分量が豊富な、採れたてのマンゴーみたいな、太ももに、かたいプリーツスカートの生地なんか押し付けたらさ。

 

そんなん、跡付くじゃん。赤くなっちゃうじゃん。

 

 

 

良いじゃん。

 

 

 

そんなの、いいじゃんか。

 

僕自身が高校生のころから気づいていたよ。

 

斜め前の席の女の子が、現国の時間で夏目漱石著「こころ」の朗読のために立ち上がった刹那、目に飛び込んだよ。プリーツスカートの跡がくっきりついた太ももがさ。

 

そんなん観ちゃったらダメじゃん。トラウマだよ。

 

そんでもって、「見る」じゃなくて「観る」だよ。

芸術鑑賞に近い域だよ。鑑賞なんだよ。JKの太ももに関してはさ。

 

芸術の話だよこれは。なんだよ、もう。

 

JKよ?

初恋とか、しちゃっているタイミングかもしれないじゃん。

SNOWとかしてさ、その変顔がこの世のあらゆるものよりそれが一番面白いって信じ切っているじゃん?大学生とかと付き合っている自分をめちゃくちゃ大人だと勘違いしているかもしれないじゃん?

 

授業中手紙とか回しちゃっているんだよ?教師のことあだ名で呼んで、あまつさえ、ため口で話しちゃったりするくらい、社会の常識知らずなJKだよ?

 

チャリ、乗ってんだよ?

チャリ乗っているし、校則で髪染めちゃいけないから夏休みに明るい色にしたり、ばれない程度にうす~く茶色にしたりしてんのよ?

 

ピアスもダメだから透明ピアス開けているんだよ?穴ふさがっちゃうから。ピアス穴ふさがっちゃうから!!!

 

お酒、飲めないんだよ?

なんなら、お酒飲めないけど、粋がりまくって精々「ほろよい カルピスサワー」飲んでんのよ?3%よ?アルコール度数。

 

こちとら酒盗で、日本酒飲んでんのにだよ?

 

 

そんな純真無垢なJKの太ももに、プリーツスカートの跡、ついてんだ。

かわいそうじゃん。

 

そんな、いいじゃん。

 

いいよな?

いいって、そりゃ。

もう、やめてよ。

ほんとに。

 

もう、良くならないで‥‥。

イマジネーションベイビー育成日記 「柊輝ちゃん、爆誕」

ぼく、実は子持ちなんです。

リアルな子供ではなく、イマジネーションベイビーですが。

 

経緯を申し上げます。

 

ちょっと前まで縁もゆかりもない土地、仙台で暮らしておりました。

仙台は住みよい気候で、食べ物もおいしく、いい街なのですが。

 

いかんせん、慣れない仕事をしながら、友人もいない知らない土地で過ごしていると、本当に精神状態がマズくなります。

 

ティッシュを壁に貼り付けて、扇風機を当てて、ヒラヒラ~ってなっているのを見つめながら日々を過ごす状態になっておりました。

 

「これはマズいなぁ」と思った時に、TVを流していたら

「はじめてのおつかい」が流れ始めました。

 

「はじめてのおつかい」は正直にいって、子供をだしにしている番組で、脳みその代わりにマーマレードを入れているクソバカがよだれを垂らしながら見るものだと偏見を持っていたため、全く見ることがありませんでした。

 

しかし、案の定というか、おつかいに奮闘する子供の一生懸命さ、それを真剣に見届けるママの表情を見てボロボロ泣いてしまいました。

 

その時、「パパ」と呼ぶ声がたしかに聞こえたのです。

 

うしろを振り返ってみると、そこにはクマの靴下をはき、ウルトラマンティガのTシャツを着て、ニコニコ笑っているサラサラヘアをおかっぱにした3歳ほどの子が、笑っていたのです。

 

 

それが、ぼくと「柊輝」の出会いです。

 

柊輝(しゅうき)は、僕の本名である「柊人」から一文字を取り

『柊人がパパとして輝けるように』と子供を自分の引き立て役にするとてつもないエゴイスティックなネーミングです。

 

柊輝は、ぼくに様々な感情をもたらしました。

 

人を愛でる。

損得勘定なしに愛を交わしあう行為は仕事や孤独の影響で化石のように固まった自分の心にスーーっと染み渡り、潤いを与えました。

 

ぼくは一生をかけて、柊輝を立派に育て上げよう。

 

目の前に現れたたった一人の息子を抱きかかえながら、静かに涙を流しました。

 

柊輝は大変おりこうさんで、家に僕が帰ってくるまでおとなしく機関車トーマスを見ながら待ってくれています。

 

自分が仕事から帰ってくると、玄関まですぐに駆け寄り、その日、レゴで作った自慢のお城をぼくにプレゼントしてくれます。

 

ぼくはその時の、誇らしげな柊輝の笑顔を見ると、リビングまで抱きかかえ

一緒にベッドへダイブします。

キャッキャと笑う柊輝ごしにみる部屋は、一人で過ごしていたころと見違えるように明るく見えます。

 

 

ああ、ぼくは幸せだ。

本当に、幸せだと思っていました。

モスチキンとハイボールは、合う

モスチキンとハイボールは、合う。

 

これは確かな筋から得た情報だ。

 

そして、実際に合う。

 

パッサパサの鶏むね肉とザックザクの衣。

そこにハイボール喉ちんこに向けてぶちまける。

 

そこにあるのは、快楽・至福・大混乱。

 

ノアの箱舟をひっくり返し、パンドラの箱を解体し、机にDIYしたかのような禁忌が目の前にある。

 

アダムとイブを狂わした、禁断の果実が目の前にあるのだ。

 

モスに行かない理由はない。そうだろう?

 

いま、僕のベッドでは小雪吉高由里子が裸で寝ている。

トリスハイボールとモスチキンを食べさせたら、この有様だ。

 

小雪が、くしゅんとくしゃみをした。

もう12月。風邪をひいてしまってはかわいそうだから毛布を掛けてあげた。

 

冬空に貼り付けたような星々が、光を零す。

モスチキンの臭気に充てられ、地上へ降りてきた酔いどれお星様が、また一人…。

はじめて「ピンボール」で遊んだけど、超面白かった

今日は神田くん(@gogonocoda)と遊んだ。

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神田くんは、株式会社バーグハンバーグバーグという会社でインターンシップした時の同期だ。

 

僕は2週間でインターンシップを終えたが、神田くんは、丸1年インターンシップをしていた。圧倒的に経験がある。

 

現在、神田くんはバリバリのライターとして活動している。

僕もライター的な活動もしているが、彼のバリバリ具合には頭が上がらない。

 

僕が、4日放置したポテチだとすれば、神田くんは開封したてのカニチップスくらいバリバリだ。

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そんな歯茎に重傷を与える程にバリバリ感を醸し出す神田くんにゲームセンターに誘われた。そのゲーセンにはレトロな筐体がたくさんあるという。

 

神田くん「ピンボールを、しましょう」

 

ピンボール

昔の映画でBARとかで登場するあれか。見たことすらない。

不安だ。

しかし、神田くんの提案に乗って損したことはない。

 

神田くんは僕の知らない楽しいことをたくさん知っているのだ。

民に喜びを与える存在、神田くん。

 

彼がピンボールをしようっていうのなら、やってやろうじゃん?

 

鼻から息をフンスフンスと噴出しながら、神田くんの背中をチョコチョコと追っていくのだった。

 

 

・・・

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ついた。

右の頬骨を削り取られ、目がうつろだが大変テンションが上がっております。

 

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これが…ピンボール

思ったよりも、デカい。

 

よぉし…100円をいれてさっそく…。

 

しゅ「あ、100円玉ないや…。」

諦めるしかないのか…!

 

神田くん「両替しなよ。」

 

しゅ「あ、そっか。」

 

神田くんはすごい。

100円玉がないという問題を、なんなくクリア乗り越えてきやがった。

 

冷静な対処、迅速な対応。

彼は僕に思いもよらないような発想で、驚きを与えてくれる。

 

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両替もしたし、がんばるぞぉ!

 

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うりゃー!

 

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あわわわわ

 

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BAM!

 

お、BAMが出ましたね。なんですか、これ?

 

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うおうおうおうお

 

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SLAM!

 

おっ、SLAMもでましたか。なんですかね?

 

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400万点がでました。

なにこれ、超楽しい。

 

なにも説明しなかったけど、ボールが跳ねる感触が、手に伝わる。

ギミックが、すごい(床からなんかせりあがったりしてた。)

 

圧倒的な音と光の連続で、なにがなにやらわかりません。

 

エンターテインメントの洗濯機にぶち込まれて風乾燥をされたような、そんな感触です。

おもしろいにもみくちゃにされる!

 

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神田くんは百戦錬磨のスナイパーのような表情で1000万点のスコアを出してました。

すごいや。

 

めちゃくちゃ面白かったです。

みんなもやればいいのに。

 

ねえ、みんなもやればいいじゃんねぇ?

ねえ、神田くん…。

仙台の社長インタビューvol.1 ㈱原価市場 三塚社長

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ウワァァァァァァーーーーー!!!!!

 

 

・・・こんにちは、しゅどんどんです。

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現在、私は仙台は東一市場という場所にある、立ち食い焼肉「と文字」に来ております。

 

こちらは、独り身の私に優しい肉1枚から仙台牛が注文できる焼肉屋さん。

1年ほど前から月1くらいで通っています。

上質なお肉を、自由気ままに食べられるスタイルに目からうろこが落ちまくったことを覚えています。

 

 

「なぜこんな素晴らしいシステムを搭載した焼肉屋さんを、仙台の東一市場というマイナーな場所へ出店しようと思ったんだ…?いったいどんな人が…?」

と気になっていました。

 

そしたらひょんなことから「と文字」を経営している会社『㈱原価市場』の社長 三塚さんと知り合うことが出来ました。

 

はじめて、三塚社長へお会いしたときに、緊張しながら取材をしたい旨を伝えると

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「バリバリOK!!!」

と頼もしい一言で取材へこぎつけました。ノリ軽っ。

 

明らかに目の輝きが一線を画している。

 

おもしろい人に違いない!

 

 

というわけで、今回は若輩者中の若輩者ひよっこ代表である私が勉強のため、社長さんにインタビューをした記事です。

今回、お話を聞かせてくださったのは

仙台で飲食店を6店舗経営されている㈱原価市場 代表の三塚さん!

 

㈱原価市場 三塚社長とは

創業5年。

仙台の繁華街 国分町で創業店を開業後、現在は東一市場という仙台版ゴールデン街的な場所密集して

・立ち食い焼肉と文字

https://tabelog.com/miyagi/A0401/A040101/4015933/

・仙台炉ばた料理 縁側

https://tabelog.com/miyagi/A0401/A040101/4016631/

など6店舗の飲食店を経営している。

 

ノリが良すぎて密集した場所で6店舗も開業!?

しゅ「三塚さん、今日はよろしくお願いします!」

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素早い手刀を披露する三塚さん。

 

三塚さん「宜しくお願いします。」

 

しゅどんどん「相変わらず素晴らしい手刀ですね!」

 

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東一市場の様子。オシャレなカフェもスナックも風俗も混在する異様な場所。ここで三塚社長の店、6店舗が歩いて1分の距離にある。

 

しゅ「さっそくですが、仙台の東一市場といえば、国分町の近くにありながら昭和の雰囲気が漂うちょっぴりアングラな場所。なぜそこで6店舗も経営されているんですか?」

 

三塚さん「正直な話、狙って6店舗も開業したわけではありません。大家さんに『ここ空いてるけど、どう?』って言われて、乗っちゃったからですね。」

 

しゅ「え、自分で物件探していたわけじゃないんですね。」

 

三塚さん「うん、基本的に、どう?って言われたら乗っちゃったパターン。」

 

しゅ「開業のノリかるっ。でも、それだけいろいろな大家さんから声がかかるってことは、やっぱり儲かっているんですね?ゲヘヘ…」

 

三塚さん「儲かっているとはおおっぴらには言えませんが、集中して出店したことで、すっごいドミナント効率(地域を限定して、経営効率を高めること)がいいんですよ。それぞれの店にヘルプに入ったり、調味料貸して~等のお願い事をすぐにできちゃうのが結果的にプラスになっていますね。」

 

しゅ「へぇ~!狙っていたわけではないけど、付加価値がついてきたんですね。」

 

大家さんに「出店しない?」って言われたから…

 しゅ「出店するスパンがすごい短いのはどうして・・・?」

 

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三塚さん「それも、大家さんに『出さない?』って言われたら、つい『いいよ』って言っちゃって…。」

 

しゅ「え~~~。物件ありきなんですね。」

 

三塚さん「そうだね。そこが強みでもあって、自分は『こういうお店がやりたいから物件を探す』ではなくて『こういう物件なら、こんな店をやったら面白いかもしれない』ってスタートがまるで違う。だからこそお客さんに喜んでもらえるようなお店作りができるんです。」

 

しゅ「そういわれれば、店構えもかっこいいですもんね…。でも出店費用が相当かかるんじゃないんですか?」

 

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炉端料理店「縁側」は、夏場は軒先でお酒を飲みながら涼むことが出来る。もちろん料理も一級品。 

 

三塚さん「そんなかかってないよ。飲食店は坪単価100万円かけるといいお店になるっていうのがセオリーなんだけど…。」

 

しゅ「1坪100万円!?無理無理無理」

 

三塚さん「無理でしょ?(笑) だから居抜き物件を使ったり、かなり出店費用は抑えていますね。」

 

しゅ「なるほど。意外と工夫されているんですね。」

 

朝、会社に来たら誰もいない⁉ 人を雇う難しさ…

しゅ「起業したきっかけは、金持ちになってクルーザーに乗るためですか?」

 

三塚さん「金持ちにはなりたいけど、クルーザーはいいかな...。僕も飲食の世界に入って、しばらくは雇われ料理人だったんだけど。単純に、生活が経ちいかなくなって、起業しかないなって。」

 

しゅ「生活が…。」

 

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三塚さん「子供が、5人できちゃったから…。」

 

しゅ「ハッスルしましたね…。でも、自分だったら家族がいたら怖気づいてしまうような…。」

 

三塚さん「2つのタイプに大別されるんじゃないかと思います。仕事にしがみついてしまうか、アクセル踏んでしまうタイプか。私のアクセルはやはり家族を養う事。今の収入よりたくさん稼ぐには起業しかないな、と。」

 

しゅ「もともと、寿司屋の職人さんでいらっしゃったんですよね?独立したのはいつごろになるんですか?」

 

三塚さん「いまが42歳だから、5年前だね。それまでも起業したいってイメージはあったんだけど、結婚や出産もあって叶わなかった。それでも準備をしていたので来るべき時にアクセルが踏めました。」

 

しゅ「ちなみに最初の資金っていうのは…?」

 

三塚さん「150万円だけ!リース物件で始めました。お金がなかったからこそ、少ない設備や人材不足の中でどれだけいいものが作れるか、どんな宣伝をしたらいいかと、試行錯誤していた。お金が中途半端にあったら今頃失敗しているんじゃないかとも、思います。」

 

しゅ「150万が初期資金って信じられないくらい少ないですね。最初のお店というのは結構長く続いたんですか?」

 

三塚さん「それが、3年でつぶれてしまいましたね。

 

しゅ「3年…!」

 

三塚さん「1店舗目を出したすぐ3か月後に2店舗目を出店しましてね。」

 

しゅ「出店スパンみじけぇ~!もしやそれで経営がてんてこまいになったとか…?」

 

三塚さん「いえ、2店舗目はうまくいって、フランチャイズで福岡に3店舗目も出せましたね。」

 

しゅ「とんとん拍子じゃないですか!経営が経ちいかなくなったのはどのタイミングで…?」

 

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三塚さん「創業店で店長を任せていた人が独立して、うちの店の従業員引き抜いて、同じビルの2軒隣に全く同じシステムの店を出店したんですよ…。

 

しゅ「面の皮、厚っつ~…!大反逆じゃないですか!」

 

三塚さん「そっちにお客さんが流れていって、従業員もいない。当時はとにかくしんどかった。うちの店を潰したら結局そのお店も潰れたけど。」

 

しゅ「まさに共倒れだったんですね。」

 

三塚さん「うちは若い会社だからというのもあり、人が育てなかった。一つ悪くなると連鎖的にダメになっちゃった。」

 

しゅ「壮絶すぎる。」

 

挫折からの東一市場で大逆転

しゅ「そこから、今までどう盛り返してきたんですか?」

 

三塚さん「そこから新たな展開を考えていった。5坪しかない小さなスペースで立ち食い焼肉「と文字」を出しました。」

 

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しゅ「「と文字」は僕も行ったことあります。友達がいないので、一人焼肉するときに重宝しました。1枚からお肉を注文できるところがうれしすぎた…。やはり軌道に乗るのも早かったですか?」

 

三塚さん「ありがとうございます。アイデア勝負でなんとかうまくいった感じでした。「と文字」に関しては、あまり苦労はなく軌道に乗ってくれましたね。」

 

しゅ「コンセプトとニーズが合致していたんですね。」

 

三塚さん「カウンターで目の前でショーケースから肉を取り出して、カットし、お客さんに突き出す。まさにお寿司屋さんのようなイメージでやったことが、ウケたんでしょうね。」

 

しゅ「たしかに、目の前で肉をカットして差し出されると、すごくワクワクしますね!」

 

三塚さん「そこからは、さきほども言ったようにお店の場所から、「どんなお店を出したら面白いかな」っていう考えを起点に出店したらうまくいっているような形です。」

 

「数字」より「人」へ。考え方が180度変わった経営者!

しゅ「経営者という立場だと、従業員との付き合い方とかって気を付けていらっしゃいます?」

 

三塚さん「今と昔じゃ大きく変わりましたね。昔はただただ数字を追っていた。数字がいい人を優遇したり、目標達成しなかったら休み返上して働け!とかやっていた。」

 

しゅ「ああ、ブラック企業ってやつですね。」

 

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三塚さん「昔は、特に飲食店はそこらへんかなりゆるかったんですよ。でも、やっぱり痛い目は見る。ある日アルバイトから電話がかかってきて「今日お店おやすみですか?」と言われて、不思議に思って店に行ったら、置手紙を残して従業員全員辞めていたりとかね。」

 

しゅ「クーデター起きているじゃないですか!

 

三塚さん「それはと文字創業する前だね。それで人っていうのはどうなのか?って勉強したね、数字は絶対大事だけど、「人に対することって別だな」っていまさらながら思っている。」

 

しゅ「いろいろ思うところあったんですね…。」

 

三塚さん「今は絶対「数字」より「人」を重視しています。たとえ、目標の数値に達しなくても、従業員の生活面や待遇はおろそかにしません。そのおかげか人づての紹介で雇用に困らなくなった。求人情報もまったく出さないくらいですよ。ありがたいことです、」

 

しゅ「本当に「と文字」創業前とそのあとで全然働くことや人に対する価値観が変わっているんですね。そしてそれが結果として店にプラスに働いている。」

 

三塚さん「本当に人は大事だね~!今は「働きたい」って人がいたら未経験者でもバンバン雇うようにしています。志があって、目標を与えて成長していつか店に還元してくれたらいいってことで…。」

 

しゅ「ある意味、人へ投資をしているんですね。」

 

三塚さん「自分自身、仕事が大事で、あまり人とかかわりたくないタイプだったんだけど、いろいろな人に会って自分の幅を広げるように意識すると、自然とそんな考えになりました。」

 

しゅ「三塚さんのイメージは社交的でノリのいいタイプだったので意外です!」

 

三塚さん「本当に人は面白いね、一気に幅が広がるので、今後も人と無理にでも会うよう続けていくつもりです。」

 

しゅ「最後に、今後手掛けたいこととかあれば教えてください!」

 

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三塚さん「今やっている仕事の中で、起業支援をやっていきたい。若者に対して、どうこうってあるけど、僕はとにかく挑戦をしてもらいたい。今は情報が入りやすいから答えが見えていて、「これやったってこんなんでしょ。」って考える人が多い。自分の可能性を信じてほしい。

 

しゅ「たしかに、ネットが発達した今だと未知なものへ飛び込む勇気ってなかなか出ないですよね。起業も、自分が知らないことだし、正解がないけど難しいって正解だけあるようなイメージ。」

 

三塚さん「難しいけど、小さいことだったらこけたってかすり傷。いきなり大きいことをやらずに、たとえばブースを借りてやるとか。そういうことから始める方がいいんじゃないかな。物を作る売る。雇う、そういう実践が大事。特に、飲食店はやりやすいし、いろんなことに活かせる。今企画していることは、大学生に場所を提供して、自由にショップを開かせること。起業ってそんな難しくないんだなって思ってほしいですね

。」

 

しゅ「三塚さんは、「飲食」というテーマで場所とチャンスを提供していくんですね!」

 

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三塚さん「うん。やっぱり飲食はいいよ~!お客さんの顔が見れることが本当に良い。頑張った分、すぐにお客さんから「美味しい」って笑顔が見ることが出来る。リターンがめちゃくちゃ早いんですから。生まれ変わっても、飲食に携わりたいですね!」

 

しゅ「本当に、飲食と人が好きなんだってことが今日のインタビューで伝わりました。今日はありがとうございました!」

 

「と文字」に行ってみた。

インタビューを終えたぼくは、そのまま三塚さんが経営している立ち食い焼肉「と文字」へ向かった。

威勢の良い店長とお世辞にも手際が良いとは言えないが返事の良い若い店員さんが迎えてくれた。

 

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ショーケースのお肉を切り出し、肉を突き出される。

三塚さんが仰っていた寿司屋みたいなイメージの焼肉屋さん。

 

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言わずもがな、めちゃくちゃうまかった。

 

今回、人間が180度変化した経営者、三塚さんにインタビューしたことで得たものは「人は変われる」という事実だ。

 

信念を持ち続け、何度も何度も振り返りながら、試行錯誤しながら経営し続ける三塚さんのことをすごく魅力的に感じた。

 

僕は今日の話を聞いてほんのちょっとだけ自分が変わったような気がする。

いままで、「もう成人しているし、そう簡単に人は変わらないだろ…。」という考えがあったが、目の前に30代半ばで挫折を経験し、変化を遂げた人が現れた。

 

本当に今日の話が聞けてよかった!

 

 

それにしても焼肉うまい。