ぼくは小学校から高校卒業まで空手道場に通っていた。
それも、人を素手でボコボコに殴る感じのかなりオフェンシブな空手だ。
その空手道場は1人の先生が教えていた。
その先生というのが、本当に、めっっっっっちゃんこ怖かった。怖かったエピソードを羅列すると5万文字とかになるので、抜粋して羅列します。
●めちゃ怖①ひたすら強い。
→先生はとにかく強かった。流派の全国大会で5回くらい優勝しており、拳には漫画みたいな拳タコがあった。命を刈り取る形の拳だった。
当時生意気なお年頃だったが、圧倒的な力の前には平伏すしかなかった。
●めちゃ怖②竹刀持ってる
常に竹刀持ってる。持ってるだけじゃなくて脳天を叩く。
叩かれて痛がっていると「こんなん全然痛くねぇわ!!!!」と言いながら先生が自分の頭を自分で何度もぶっ叩く。その後、なぜかぼくももう一発ぶっ叩かれる。
●めちゃ怖③超熱血
声がでかい。そして、すこぶる熱心に指導してくれる。一度ぼくが外国人と試合をした時、セコンドについた先生は
「頑張れ!!負けるな!!!頑張れ!!ニッポン!ニッポンがんばれ!!!ニッポォォォーーン!!!」と、途中で国を応援し始めた。先生の応援で外国人もぼくも笑ってしまい試合が中断された。
そんな先生だが、何年も一緒にいるとかなり仲良くなり、雑談もする仲となる。
稽古前には
先生「おい!しゅうと(ぼくの本名)!」
ぼく「はい!!!」
先生「堀北真希って、かわいいよなぁ」
ぼく「オス!ぼくもそう思います!!!」
とか話す。
ある日、道場に行くと先生の手が包帯でぐるぐる巻きになっていた。
ぼく「オス!右手どうしたんですか!?」
先生「ああ、この前な…。」
ぼく(喧嘩かな…?)
先生「小学生にミット打ちさせてたら、ミットを打つ手が痛いって文句言い出してな…。」
ぼく(ん…?)
先生「『こんなん全然痛くねぇわ!!!!』って言いながらコンクリートの壁を思いっきり殴ったら、折れちゃった。」
ぼく「」
先生「しゅうと、コンクリートって硬いから殴っちゃダメなんだぞ。」
先生……。
知ってる………。