「新宿ののぞき部屋に行きましょう。」
うわあビックリした。
殺し屋みたいな顔をした友達にクリスマス前にのぞき部屋に誘われました。
少しでも【NO】の所作を見せたら殺されそうだし
私も一人の男。女の子をのぞいてみたい。あわよくばマジックミラー越しで・・・という思いは少なからずあります。
というわけで来ました。のぞき部屋
新宿どまんなかTOHOシネマの真横にあります。恥ずかしすぎるだろこの立地。
この立地に何の得があるんだ。
「映画見て目も疲れたし、いっちょハダカでも見ますか!w げっへっへ・・・」
ってやつがいるのかよ。いたとしたら家から出ないでくれ。
看板の明るさがすごい。
自分の視力がぐんぐん落ちていくのがわかる・・・。
元祖のぞき部屋マドンナ・・・。
【元祖】であることになにかプラスな要素があるのだろうか
そこに誇りは、あるのかよ・・・?
すでに頭がパンクしそうなので入店しましょう。
いざ。
わぁ。階段せっま~い。
せっま~い階段を下りた先には強面メガネのおじさんがポツンと受付にいました。
受付には大きな文字で「盗撮は罰金50万円」の文字が・・・。
思い切った値段設定・・・。
私はこの時点で足が少し震えています。怖い。
料金は 大人2100円 学生1600円
学割効くのかよ。親の仕送りでストリップ見に来ている学生に優しくするなよ。
受付でお金を払うと強面おじさんから厳しいチェックが始まります。
「携帯とデジカメ出してね。鞄の中に写真撮れるものない?後で見つかったら罰金だよ。iPadもダメだよ」
はあ怖え。もういやだ。罰金50万円払うなんて人本当に要るの?
「いますよ。払うっていうより払わせるよ。せっかく捕まえた女の子をまた雇うこと考えたら50万円じゃ安いからね・・・。」
こっわ~。
女の子のハダカのぞきたいだけでなんでこんな怖い思いしなければならないんだ。
「オプションの手コキは2000円だよ」
え?オプションあるの?
すこしだけ、勇気が出てきたぞ・・・
待合室へGO
「じゃあ次のショーまで待っていてください」
待合室に通された。数学教師が持っている三角定規と同じサイズの待合室だった。
そのキャパ、成人男性二人分。
横には何インチだってくらい小さいテレビデオに80年代のAVが流れていました。
おばさんが大量のローションを浴びまくっていました。誰好みなんだろう、このAV。
そして壁には大量の詫び状。
盗撮をした人の免許証のコピーと詫び状、正座させられている男性の写真がたくさん壁に貼られています。中にはエスパー伊藤に酷似している男性もいました。というかエスパー伊藤だと思います。
ここでもうすでにプレッシャーで押しつぶされそうです。
水曜日のカンパネラ コムアイをぼこぼこにして胆汁に半年浸したような女性が
待合室にやってきました。呼びに来てくれたようです。ついにショータイムです
ショータイムでござんす
ひとりひとり暗く、狭い個室に入り、目の前にはマジックミラーとティッシュ箱
女性が現れるであろう場所にはドンキで売っているミラーボールとファブリーズ(やっぱ臭いのかな)
これからマジックミラー越しに女性が裸になるというワクワク感と友達と別れて非常にさみしい気持ちが織り交ざり、頭が混乱してきました。
しかし、劣情をあおるBGNと共にサンタコスプレの女性が現れました!
きた!ヒュー!お姉ちゃんこっち向いて~~~~!!???
ジャガー横田がいました
なぜここに女子プロレスラーがサンタの格好をしているんだ?
私はますます混乱をしました。
ここはのぞき部屋、かわいい女の子がえっちなダンスとスケベな恰好で男の子の欲を満たす聖域。
しかし、私の目の前にはいまにもラリアットをかましてきそうなジャガー横田がサンタの格好で踊り狂っています。
もはや踊っているのかもわからないくらいの微妙な動きですが、おそらく踊っています。
どんどん服を脱いでいくジャガー横田
やめてください・・・やめてください・・・
私の祈りもむなしくジャガー横田はすっぽんぽんとなりました。
どんどんヒートアップしていくジャガー横田。
ブラジャーから現れたその乳首。
年季と哀愁を感じさせるそのごんぶと乳首はカラス除けを連想させます
あ、背中になんか黒いのがある・・・?アザ・・・?
あ、菩薩のタトゥーだ・・・怖・・・。
数あるタトゥーの中で菩薩を選ぶか・・・?
ジャガー横田のボルテージはどんどん上がっていく。
横になり、大開脚、おまたに手をあてて男を挑発するような動きを・・・
男を挑発するような・・・
あ、これ股かゆいからぼりぼり搔いているだけだ・・・・。
股かゆいの?ずっと掻かないで・・・。嫌な想像ばかりが広がっていくよ・・・。
嫌な想像にさいなまれていると途端に流れていたEDMミュージックが止まりました
すると
「アン・・・アアァン・・ンァァ・・アッアッイクゥ・・・」
お?幻聴か?と思いきやBGMが喘ぎ声になっていました。
安直に股間を刺激しようとするな。
しかしそんな淫靡なBGMと裏腹にマジックミラー越しのジャガー横田は依然真顔、真顔、真顔。
真顔で股間をボリボリ掻いている。実家のおかんか。
それを見ている私も真顔。おそらく友達も真顔。この空間にある感情は「無」のみ・・・
後ろのカーテンが突如開かれ、そこには水曜日のカンパネラ コムアイを天日干しにした女が立っていました。
コムアイの天日干し「オプションは?」
ぼく「あ、、、結構です」
コムアイの天日干し「チッ!」シャッ(カーテンを閉める音)
最悪だわ。僕のマイサンは度重なるトラウマの種にすでにうなだれている。おそらく再起不能だ。まさか舌打ちまでされるとは死体蹴りもいいとこだ・・・。
なんやかんやで15分が経ち、喘ぎ声のBGMが消え
素っ裸のジャガー横田は成し遂げた顔で控室に帰っていきました。
ちらっと見えた控室も数学教師の持つ三角定規とどっこいくらいのスペースしかなかった。
なんだか胸がぎゅっとなった。
まとめ
・・・・・・
・・・
細い階段を上ると、目の前には明るい歌舞伎町
クリスマスを目前に控えた人々が笑顔で通り過ぎます。
そんな幸せの人々の近くには
悲しい灰色の世界が横たわっていることを知れた
それだけで十分・・・今の私には十分と思えたのだった・・・。