なりたいなぁ。
ソニック。
ソニックをご存知?
セガから発売されるゲームの主人公であり高速移動する青いハリネズミ…。
兼ねてからソニックに対する強い憧れがあった。
ゲームキューブソフト「ソニックアドベンチャー2バトル」で見せたアメリカかぶれな話し方。丸まった状態で高速で移動する姿。大きなロボットを一撃で破壊するボディアタック。
なにもかもが輝いて見えた。ヒーローとはこのことだ。
幼い時分から今まで、彼は僕のヒーローとして君臨していた。
憧れは時を巡って次第に形を変えた。
「僕もソニックになりたい。」
僕はそう考えるようになった。
新幹線の窓から見える、高速で過ぎ去る景色を眺めながらソニックアドベンチャー2バトルのメインテーマを聞いて擬似ソニック体験をするなど、僕の生活がだんだんとソニックに染まって行った。
メインテーマ
https://m.youtube.com/watch?v=59O4rdGsbsU
東京駅の人混みにボディアタックを仕掛けたい。
京葉線から山手線へ乗り換える長い道のりを丸まった状態で突っ走りたい。
ヤンキーに絡まれた時に、おもむろに丸まって、ウオオオオオ…とか言いながら高速回転し、ウリャーーーという掛け声でボウリングのピンのようにヤンキーをボディアタックで弾きとばしたい。
そして「Hey guys!また、遊んでやるぜ?」というのだ。イッツ、クール。
逆にヤンキーに殴られた時は「アウチ」って言いながら金色のリングをそこら中に撒き散らしたいのだ。
僕は基本的に高速回転した状態で誰かに突っ込みたいという欲求があるんだと思う。
今日もベッドの上で僕はでんぐり返しを行う。
バランスを崩し、こたつの角に脇腹を強打した。
ソニックへの道のりは、遠い。