しゅどんどんずんどこブログ

書いちゃうよ~!

ゴム肉

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大きい肉を焼いて食べようと友達と集まってやっていた。

 

金をケチって安い牛バラ肉を怪しさすら感じるほど安い店で購入した。

 

焼いた瞬間からずっと臭かった。

ニンニクやハーブを親の仇かというほどまぶしまくったのだが、臭みは増す一方だった。臭い。牛は所詮、動物ということを思い知った。

中高で一生懸命部活に励んだ野球部員のキャッチャーミットを湯がいているかのような匂いだった。

 

 

凄まじい時間がかかったが、焼けたので食べた。匂いははちゃめちゃに濃いソースで誤魔化すことにした。

 

噛む。

硬い。

硬い。

硬い。

硬い。

噛み切らないどころか歯が繊維を破る感触が一切ない。完全なるゴムだ。パーフェクトリィゴム。ゴム牛という品種なのだろうか。硬すぎる。ふざけるな。

テニスボールの方がいくらか食べやすいように思える。硬い。弾力がある。ベッドにしたらさぞ寝心地がいいだろう、この反発力。

こんな思いをするなら薄切り肉でしゃぶしゃぶなりをすればよかったと後悔したが、もう遅い。目の前には巨大なゴム肉の塊が踏ん反り返って存在を主張している。

 

ゴム牛に思いを馳せながらなんとか半量食べる。

アゴトライアスロンを4週した人の足みたいにガクガクになっている。明らかにオーバーワーク。

三人で行っていたが皆一様に夏を終えた高校球児のような虚無感を漂わせる顔になっている。

 

 

残りは細かく刻んでカレーに入れた。

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本当にうまい。

細かく刻んだのに噛みしめるたびにギョリッギョリッと肉からはおよそ考えられない音を放っているがなんとか食べれた。

 

肉を食べて悲しい思いを得たのは初めての経験だが、これも一つのゴールデンウィークだと思う。

なんやかんやで楽しかったのでまた硬くて臭い肉を買おうと思う。