会社でぼくは毎日コメダに行っていると思われている。
たしかに、ぼくが毎日コメダに行っていたとしたら辻褄が合うくらい、ぼくは仕事をしていない。
でも実際に僕はコメダに毎日行って、午前中丸ごとたっぷりアイスコーヒーとフィッシュフライバーガーに費やしているかといわれると、NOだ。
ぶっちゃけ週2くらいでは行ってる。
でも、それもアポイント取ったりなどの雑務はこなしつつ、客先に行く合間にだ。
私はきちんと朝から営業に出かけている。
しかし、仕事量は少ない。
なぜかというと、仕事がへたくそなのだ。
基本的に考えることがへたくそ。
ぱっと行きたい客の所に行って、言われたことをこなす。
客先にたどり着くまでに道を間違える。
会話を切る場面がわからず、変な客に捕まる。
効率性が高い営業の仕方がわからない。できない。
責任感がない。
ぼくはそういった、単純に仕事ができないことを、コメダ珈琲に毎日行っている事にして隠している。
実際はコメダ珈琲に行っている方が悪いのに。
しかし、ぼくにはプライドがある。
陰キャラとしてのプライドだ。
小中高、部活や恋愛に勤しんで大切な思いを育み、きらきらとした思い出を心臓に保管している人間は、きっと「誰かの為に、迷惑をかけないように、一生懸命仕事をするぞ!」的な発想を持っていると思う。
心臓が思い出できらめいているから。
大して私は陰キャラだ。完璧な。
部活もしてこなかった。彼女と一緒に登下校することはついぞ叶わなかった。数名で街に繰り出してプリクラや、ボウリングに勤しむこともなかった。
とにもかくにもインターネットをした。
そんな私が責任感をもって誰かの為に仕事なんかできるわけない。
無茶だ。
しかし、仕事ができないことを晒したくない。
だって、人生を全うに楽しんでいる人より仕事もできなかったら、極端に悲しい。悲しすぎる。まじめぶっていた自分はなんだったのか。アホの陰キャラほど精神的に厳しい存在はない。
だから「仕事実際はできるけど、わたしはクオリティオブライフを優先してサボっちゃいますけど?」みたいな感じを出す。
毎日コメダに行っているからこいつは仕事の成果が上がらないだけで、本来はもっと仕事ができるやつなんじゃないかと思われたい。
だから私はコメダを卒業できないでいる。
左遷は目の前に迫ってきたというのに。