サービスエリアが好きだ。
食堂の伸びたラーメン、割高な揚げ物たち、自販機が並んでいるゾーン、お土産が所狭しと置いてあるゾーン 、煙ったい駐車場
ぜんぶ、なんだか旅がこれから始まるようなワクワク感を感じさせてくれる。
だから、サービスエリアが大好きだ。ついつい長居してしまう。
先日仕事中に尿意を催し、サービスエリアへ立ち寄った。
高速道路で尿意を感じた時に現れるサービスエリアは、なぜだか、光り輝いて見える。
めちゃくちゃ広いトイレで用を済まし、外に出ると家族連れや、修学旅行帰りの中学生の集団、仕事をサボってるサラリーマンがベンチに集まり、各々の時間を楽しんでいる。
なんだか、そういう場面は、とても好きだ。
フードコーナーで唐揚げ棒的なものを頼み、コーヒーを一口。
最近は以前までの寒さを忘れたかのように能天気なまでの暖かさだ。
なぜだかぐっと、空の青色が濃くなり、太陽が近くに寄っているかのように思える。
青々とした若葉の香りが鼻をくすぐる。
半分氷が溶けたアイスコーヒーに気づく。
サービスエリアの、魔力にやられ少し時間が経っていたようだ。腕時計を見る。
あっ、やべ。
会社戻る時間だ。
やべっ。
急いで車に飛び乗る。
今日の天気は晴れのち桜。
じっくり桜を楽しめるほどに道は混んでいた。
この数時間後、私はまた、上司に怒られるんだろうな。
そんな予感を感じさせないほど、春の陽気は燦々と輝いていた。