夢を見ていた。
昨日は、10時間寝てた。
その10時間のうちのほんの少しの時間だったが、バーでキョロちゃんと会った。
キョロちゃんは初対面の僕にも、気さくに話しかけてきてくれた、
すごいコミュ力だ。
キョロちゃんは様々な話をしてくれた。
キョロちゃんは宇宙人であること
キョロちゃんが生まれた星では、チョコレートに関しての技術力が高いこと。
その技術力が買われ、森永製菓と明治の中途採用に受かり、福利厚生を鑑みて森永製菓を選んだこと。
現在、森永製菓では、企画部長を任されていること。
ハイボールを片手に語るキョロちゃんは、とても大人びて見えた。
「ピーナツの化け物も、こんな風に将来を考えるときがあるんだな」
ぼくはそう思った。
企画部長として、新人の教育に辟易をしているキョロちゃんは、カリラをロックで頼んでいた。
おつまみは、アーモンドチョコだった。
「明治じゃん。」
そう思ったけど、言えなかった。
彼のことを、森永製菓のキャラクターとしてではなく、一人の男性として見ている自分に驚いた。
朝五時に
目が覚めたとき
私の寝床の横には、安いウイスキーと、明治の板チョコが置いてあった。
昨日、寝る前に食べていたものだ。
板チョコを口に含み、冷蔵庫から麦茶を取り出し、グラスに注ぐ。
板チョコの油分と甘ったるさを、麦茶で流しながら、キョロちゃんのことに思いをはせる。
彼も大変だが、自分も大変なのだ。
時間は朝九時を回っている。
出社時間を30分過ぎている。
会社からの着信履歴を見ながら、ゆっくりとシャワーの蛇口をひねる。
さあ、1日の始まりだ。