しゅどんどんずんどこブログ

書いちゃうよ~!

「バーレスク東京」に初めて行ったら、「最高の美」を目の当たりにしました…。

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しゅどんどんです。

かねてより行きたかったバーレスク東京に行ってきたので、レポートします。

バーレスク東京とは

セクシーな美女たちのダンスショーを見ながらお酒を飲めるショーレストラン。後で詳しく言いますが、なんかこう、すごい空間。

立地は六本木駅すぐ。

 

前からツイッターなどで情報収集をしており

「とにかくスゴイ!」「女性が美しい!芸術!」等のコメントをちらほら目にしておりました。

 

 

 

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今日、そんな憧れの場所に足を踏み入れられるとあって、大変緊張しております

見てください、このニチャッとした笑顔を。

のっぺりとしたたたずまいを。

 

煌びやかな空間、まるで異世界に潜り込んだみたい。

受付を済まして、中に入るとすぐに口がポカンと開きました。

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うわあああ!

そこかしこに液晶画面!SFの世界みたいだ!

 

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シャンデリア!

 

 

 

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回るお立ち台…!

今日はド迫力プラン(6,480円)というステージの目の前に配置されたカウンターでショーが観覧できるプランを利用しました。

近すぎてビビります。

 

 

 

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トイレには般若も飾ってありました。こえ~!

 

会場の雰囲気に圧倒されながらも、本当に異世界に迷い込んだかのような煌びやかな空間に胸が躍ります。口はポカンと開きっぱなしです。

 

 

 

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ド迫力プランに付属される、「RION」というダンサーへのおひねり用の貨幣も準備し、ショーを待ちます。ちなみに1,000円=10RION

ポールダンスってこんなにも美しいのか

ちびちびビールを飲みながら開演を待っていると、突如音楽が流れだしました。

 

 

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うおおおお、ポールダンスだー!!

女の人…キレイすぎる!

女体ってこんなキレイだっけ?

突如始まったポールダンスに会場は湧き、私はパニックです。

 

 

 

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すっごい。

人間って、そんなこと出来るんだ。 

 

 

 

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そこに下世話なエロさはまったくありません、ただひたすらにセクシー。

ただひたすらに美しいです。

鍛え上げられた身体に、指先や表情に至るまで音楽に合わせて表現する姿は圧巻。

美しさを誰よりも追求し、自分の身体で堂々と美を表現されてらっしゃる…。

息を呑むとはこのことです。

 

美の妖精たちが集まる泉を木陰から覗き込んでいるかのような高揚感。

 

ビールを飲んだりすることを忘れ、くぎ付けになってしまいました。

 

 

ショー本番!音楽・光・舞台装置とセクシーな女性が融合した芸術。

3名のダンサーが代わる代わるポールダンスをしている姿を見ていたら、突如ステージが暗転しました。

 

 

 

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男性「本日はバーレスク東京へお越しいただきまして誠にありがとうございます!」

 

さきほどまで、おひねりで使うRIONを販売していた男性が突如マイクを取り、MCを始めました。めちゃくちゃ舌が回っていて格好いい!

お客さんをここでかなり盛り上げてくれます!

 

 

 

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男性が捌けるとともにダンサーが出現、ショーが始まりました!

爆音の音楽とともに踊る女性たち。

めっっっちゃキレイ!!!セクシー!!まいったなこりゃ!!

ダンスもキレッキレで格好良いです。EDMや、K-POP、様々な音楽に合ったダンスが見れます。

超~面白い!家でYOUTUBE見てる場合じゃない!

会場のボルテージが上がりまくります。

 

 

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あー!あー!

キレイな人ばっかりだ!こんないいことある!?

ここですでに来てよかったという気持ちでいっぱいです。

勇気出して足を運んでよかった!

 

 

 

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興奮していたらまた暗転し、ステージ背面のLEDに文字が映し出されました。

 

 

 

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あっ、まだ始まってなかったんだ!

すでにショーが始まったかと思い込むほどの衝撃の連続。

 

これから本番のようです。

 

 

 

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うわっ、すっっっげ。

衣装めっちゃ凝っている…。

この時の音楽は「千本桜」をアレンジした曲でした。マッチングしすぎ!

 大迫力!

セクシーさとカッコよさで、頭がぼーっとしてきます。

上機嫌な夢?

 

 

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油断しているとダンサーが天井から釣り下がったロープでグルングルン回っていました。本当に竜巻が発生するんじゃないかってスピードで回っている。

すごい。語彙が追い付かない。

こんなこと日本で起きているなんて信じられない。

期待していたハードルをトランポリンで悠々と超えられてしまいます。

 

というか、ショーが始まると次から次へとショーが展開していって、美しい・楽しい・カッコいいが目まぐるしく連続していくことで、夢の中を泳いでいるかのような感覚に陥ります。

 

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ステージもせりあがりました。

そこ、せりあがるんだ。

すっげえ大規模…。

 

 

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ていうか、ド迫力プラン、本当にダンサーさんが近い!

気を抜いたら好きになる距離感です!気を付けなければ…。

 

 

 

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はい、世界一美しいだんご3兄弟です。

一つのポールに3人も…?

 

 

 

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と思っていたら、すごいことになりました。

これ、実際に回っているところを見るとあまりの綺麗さ、迫力にため息が出てしまいます。

ポールダンスどれだけ練習を積んできているんだと考えると、頭が下がります。

 

 

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お客さんをステージに上げて、イジったりするパートもあります。

これは一生の思い出になりますね…。

本当にお客さんを楽しませようと考えつくされたショーです。

これが、おもてなしか…。

 

 

 

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最後はお客さん総立ちで完全なお祭り騒ぎになりました。

この混乱は楽しすぎた…。本当に…。楽しいんだ…。

恥ずかしいとか考えてる暇がないほどに大盛り上がり。

めちゃくちゃ楽しい。

会場にいる全員が、日常のわだかまり、辛さを100%忘れて全力で楽しんでいることが伝わります。

ああ!生まれてきてよかったぁ~~~!と本気で感じました。

 

 

 

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最後はお待ちかね、おひねりタイム。

ダンサーさんがステージを降りて、握手や、おひねりを渡すことが出来ます。

ダンサーさんみんなキレイ。最高。もうダメだ。

ダンサーさんが勢揃いする姿、なにこれ、文化遺産

 

 

 

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ダンサーさんと写真が撮れます。

は?かわいい。助けて。鬼照れします。

 

こんなかわいい子が写真撮ってくれて、ほんとにいいの?私のようなムシケラスクールライフを送った人間が、一気にスクールカーストを駆け上ったかのような感覚になりました。

 

ダンサーのみなさんが、ステージを降りて、お客さん一人一人に握手をして回ってくれます。

輝かしい笑顔に目を細めつつも「しゃ、しゃ、写真、お願いします!」とお願いしたら快く撮ってくれました。

優しい。

優しすぎて、ママかと思った。ママであってくれ…。

 

 

 

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ここで、RIONの登場です。

水着にRIONをねじこませていただけます。豪族かよ。

照れますが、ねじこんだ方が吉です。豪族になれるので。

 

 

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RIONをねじこんで、「えっ、いいの?」って顔をしましょう。

 

こちらのTHE女神はバーレスクリーダーのみのりさん。

ご覧の通り女神です。

「ねじ込ませていただけませんか?」と言ったら「いいよー!」と快活な返事をくれました。

近所に住むお姉さんであってくれ。そんな世界線に生まれたかった。

 

 

 

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めっちゃくちゃポールダンスが美しかったRiericaさんです。

控えめに言って、真っ赤な薔薇が歩いてきたのかと思った。そのくらい完成された肉体美と顔面美。

 

華やかな女性たちが代わる代わる席へ来て、握手してくれます。

なにも成し遂げてない自分ですが、成功者になったかのような感覚に陥ります。

そこにあるのは多幸感、それだけ。

 

切りがないから、まとめよう

良さを語ったら、8万字くらいになりそうなので、むりやりまとめます。

 

バーレスク東京は絶対絶対絶対に行くべき~~~~~~~~~~~~!!!!

 

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かなりうだつが上がらない人生を送っている僕でも、人生で一番の笑顔になれます。

 

 

 

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終演直後のぼくです。

「いままでバーレスクを食わず嫌いしてた僕は、ナンセンス!」みたいなことを言っていました。

 

本当にそんな気持ちです。

正直なところ、「ちょっぴり恐そう…。」という印象がありましたが、決してそんなことはありませんでした。

おひねりをたくさん買ったり、しこたまドリンクを頼まなければ、入場料以上の値段はさほどかかりません。ダンサーさんたちも、決しておひねりを求めるようなことをしませんし、男性スタッフの接客も大変丁寧でした。

 

女性だけのお客さんも多くいらっしゃったり、お客さん同士もほがらかな雰囲気で、「会場全体で楽しもう!」という印象を受けました。

 

帰りに友人と二次会に行きましたが、二人とも「最高」以外の言葉が出なかった。

脱力の中に、確かな充足を感じ、二人そろって余韻を噛み締めながら流しこんだ安いハイボールの美味しさを、ぼくは一生忘れられないと思います。

 

 

 

 

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「興味はあるけど、勇気が出ないな~」って方はぜひ、この煌びやかでセクシーな夢の舞台へ飛び込んでみてください!

 

僕も毎月いくぞ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!

大好きになったからだ~~~~~~~~~~~~!!!!

5分日記「ヨゴリーノというアイス」

2018年8月16日21時04分

なんかあんまり時間がないっぽいから5分でブログを書くことにした。

そんなことができるだろうか?

とりあえずヨーグルトのアイスがおいしかった話を書く。

 

私の無をご覧ください。

 

その日は暑い暑い日だった。

太陽が元気満々、私は元気しょぼしょぼで、土曜の朝6時に車に乗っている。

入道雲がもわもわと道の向こうからこっちへ迫っている気がした。私は車で1時間の場所についた。

 

仕事で、ある場所にブースを出して弊社の商品をアピールしなくてはいけない。

休日出勤は嫌だが、精いっぱい頑張ろう。そう思った。

 

ブースを設営し、1人で座る。

 

1時間後、客が来ない。

2時間後、客が来ない。

3時間後、客が来たけど、話をせずに商品だけ見て終わった。

8時間後、仕事が終わった。

ブースを片付ける。

私の休日出勤は主にポケモンGOで、ポッポを乱獲し、片っ端から飴玉に加工し、博士に送る業務で終わった。

 

帰りにブース出展した人にアイス券を配っていたからもらった。

イタリアのヨゴリーノというヨーグルトのジェラートらしい。

 

プレーン以外にチョコやバナナ、ストロベリーがあった。

チョコナッツを食べた。

片っ端から溶ける。口の周りと手をべとべとにしながらアイスを食べる。

とてもおいしかった。

 

もうすっかり夕方だ、帰宅するため、車を走らせる。

行きの道で僕の方に迫っていた入道雲は、背中を見せて、遠くの山へすごすごと帰っていった。

名古屋限定ゆかり×チーザの濃厚海老スナックは人を堕落させる

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ああ〜ダメ!ダメェ!

名古屋のお土産ランキング上位に必ずランクインしてくる至高のえびせん「ゆかり」と江崎グリコがコラボした濃厚おつまみスナック〜〜〜〜〜!!!!

 

 

 

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チーザっぽいけど、チーズは使ってなくて、海老を25%使用している〜〜〜〜!!!

 

 

 

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あわわわ…。

 

カリッ

 

 

 

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プシッ

 

ゴクッ

 

あ〜〜〜〜海老。

🦐🦐🦐🦐🦐🦐🦐🦐🦐🦐

口の中に小エビ30匹くらい放り込まれたかと思ったぜ。うめぇ…。

いや、うめぇという次元ではないかもしれない。ビールが無いと苦しくなるかのような濃厚な香りと、尖った旨味。暴力に極限まで近づいた口の中の衝撃。一枚でビールを半分くらい無くせます。

口の中が香ばしいエビの殻で出来た砂漠になったかのような感覚に陥ります。そこにビールのオアシスを注ぎましょう。今すぐに。

 

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ありがとう、海老さん

教壇上のTENGA

高校2年の初夏だった。

ぼくは、自転車で30分は通学の時間がかかるような田舎の高校に通っていた。

 

その日は「早朝登校」という、遅刻などの違反を行った生徒が課せられる罰則を受け、めちゃくちゃ朝早くに学校へ向かっていた。

 

悪しき伝統だ。

遅刻で一回怒られたんだから、追い打ちで朝早くに登校なんて、させなくてもいいじゃないか。

 

ぼくはすこしの苛立ちを寝ぼけた頭の中に押し込んで、ふらふらと自転車を漕いでいた。

学校の近くにある大きな坂を上り切った時、横目に田舎の風景に似つかわしくないビビッドな赤と白のしましま模様が映りこんだ。

 

ん?

と思い、自転車を降り、赤と白のしましま模様に近づいた。

 

あ。

 

TENGAだ!!!!

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TENGAとは?

…男性器を癒すことを目的に作られた性玩具。芸人ケンドーコバヤシをして「神の穴」と評価されるハイクオリティシコリティホール。

 

「わー!早起きしてよかった!」

と、眠たい頭を吹き飛ばすほどの歓喜が全身から溢れ出た。

 

使用済みだったらいやなのでTENGAの中身のプルプルした部分を捨てて、ホクホク顔でスクールバッグに忍び込ませた。

 

 

教室には一番乗りだった。

朝早い時間であったため、教室は涼しく、過ごしやすい気温だった。

静かな教室は異質な雰囲気を醸し出していた。

 

そこに、もうひとつ、異質を付け足した。

 

そう、TENGAだ。

教壇の端っこに、そっと、TENGAを置く。

 

静かな教室。

椅子と机の木のにおい。

白く輝く入道雲

ビビッドカラーTENGA

 

ぼくは芸術作品を作り上げたかのような満足感を得て、恍惚とした表情で教室の後ろからその光景を眺める。

 

ホームルーム間近になり、同級生たちはソワソワと二人組を作っては、TENGAの前に立ち、ヒソヒソ話をする。

二人組が終わったら、少ししてまた別の二人組が来る。

 

ぼくは男子クラスに所属していたのだが、やはり彼らも16,7歳。

性玩具に対して反応することは恥ずかしいのか、大きな反応は見せないが、興味津々にそれぞれが独自の考察を述べている。

 

「なぜここに、TENGAがあるのか。」

「先生が置き忘れていったのか。うちの教師陣の中に教室でTENGAを使用するド変態がいるのか。」

「生徒でTENGAを買ったが、気恥ずかしくなりここに捨ててしまった者がいたのか。」

 

ぼくはそんな考察に聞き耳を立てながら、決して「ぼくが持ってきたんだ」と言わず、彼らの背中を眺める。

それが、何よりも快感に思えた。

 

ぼくは教室に謎を仕掛けたゲームマスターであり、ちいさな探偵くんたちとの掛け合いを楽しんでいる…そんな妄想にふけっていた。

 

HRが始まり、若い男性の担任が入ってくる。

すぐにTENGAが撤収されて、ぼくのひと夏の冒険が終わりを迎えてしまうと思った。

 

しかし、担任は「おっ…。」と声を発し、一瞬固まったのち、見て見ぬふりをし、「期末テストに向けての勉強を計画的に進めていくように」といった旨を伝え、教室を去ってしまった。

 

そうなのだ。

担任も注意しずらいのだ。

エロ本とかだったらわかりやすく指定有害図書で撤去することが出来る。

 

しかし、TENGAに関しては

「教師としてTENGAを知っている自分を生徒にさらしていいのか。」

「健全な男子高校生のオナニーを止める理由はないよな。」

「いやでもなぜ教室にあるねん。」

と教師を混乱の渦に叩き込み、思考を停止させるようだ。

 

その後もTENGAに対して、教鞭をとる先生方は一様な反応を見せた。

物理や数学、国語の授業の時間も堂々と黒板の前の教壇に鎮座するTENGA

 

その光景は夢を見ているかのようだった。

 

唯一初老の英語教師が小テスト中にTENGAを手に取って「あれま…。」と声を出した。

彼の「あれま…。」にはどんな感情が込められていたのか。

ぼくは知らない。

 

誰もいなくなった放課後の教室、TENGAを再びスクールバッグに入れ、下校した。

 

今日はなんだかいい日だった。

そんな思い出を作ってくれたTENGA

今も実家のスチールラックに飾ってある。

頑張っていると思われたくね~。

会社でぼくは毎日コメダに行っていると思われている。

 

たしかに、ぼくが毎日コメダに行っていたとしたら辻褄が合うくらい、ぼくは仕事をしていない。

でも実際に僕はコメダに毎日行って、午前中丸ごとたっぷりアイスコーヒーとフィッシュフライバーガーに費やしているかといわれると、NOだ。

 

ぶっちゃけ週2くらいでは行ってる。

でも、それもアポイント取ったりなどの雑務はこなしつつ、客先に行く合間にだ。

 

私はきちんと朝から営業に出かけている。

しかし、仕事量は少ない。

 

なぜかというと、仕事がへたくそなのだ。

基本的に考えることがへたくそ。

 

ぱっと行きたい客の所に行って、言われたことをこなす。

客先にたどり着くまでに道を間違える。

会話を切る場面がわからず、変な客に捕まる。

効率性が高い営業の仕方がわからない。できない。

責任感がない。

 

ぼくはそういった、単純に仕事ができないことを、コメダ珈琲に毎日行っている事にして隠している。

 

実際はコメダ珈琲に行っている方が悪いのに。

しかし、ぼくにはプライドがある。

 

 

陰キャラとしてのプライドだ。

 

小中高、部活や恋愛に勤しんで大切な思いを育み、きらきらとした思い出を心臓に保管している人間は、きっと「誰かの為に、迷惑をかけないように、一生懸命仕事をするぞ!」的な発想を持っていると思う。

 

心臓が思い出できらめいているから。

 

大して私は陰キャラだ。完璧な。

部活もしてこなかった。彼女と一緒に登下校することはついぞ叶わなかった。数名で街に繰り出してプリクラや、ボウリングに勤しむこともなかった。

 

とにもかくにもインターネットをした。

 

そんな私が責任感をもって誰かの為に仕事なんかできるわけない。

無茶だ。

 

しかし、仕事ができないことを晒したくない。

だって、人生を全うに楽しんでいる人より仕事もできなかったら、極端に悲しい。悲しすぎる。まじめぶっていた自分はなんだったのか。アホの陰キャラほど精神的に厳しい存在はない。

 

だから「仕事実際はできるけど、わたしはクオリティオブライフを優先してサボっちゃいますけど?」みたいな感じを出す。

毎日コメダに行っているからこいつは仕事の成果が上がらないだけで、本来はもっと仕事ができるやつなんじゃないかと思われたい。

 

だから私はコメダを卒業できないでいる。

左遷は目の前に迫ってきたというのに。

ケーキ屋さんでバイトしていました。

ケーキ屋さんでバイトをしていた。

 

当時、ぼくは16歳。

 

自転車で30分かけて公立のアホ高校へ通い、部活にも入らず、彼女もできず、家で「もなちゃと」や「ふみコミュ」といったチャットサービスでチャットH(チャット上で文章だけで行うSEX)にハマり切っていた。

 

そんな私を見る母親の目は、だんだんと厳しくなり、夏休み前にはとうとう「ネットばかりするのであれば必要ないでしょう?」という理由から「おこづかいを無くす」という法案が提出され、可決に至った。

 

私自身、思い描いていた青春ライフと違いすぎている事に気づき、これではいけないと思い立つ。

もなちゃとをログアウトし、バイト先を探し始めた。

 

バイト探し

タウンワークに乗っている仕事は飲食店が主だった。

ラーメン屋や居酒屋といったバイトは、絶対に嫌だった。

 

なぜなら、ぼくは声が小さい。

 

声の小さいぼくはバイト先を決めきれずにいた。

焦りが生じる。僕のサイフから野口英雄が家出して1か月は経過した。

 

そんなさなか、下校中にケーキ屋へ立ち寄った。

ぼくは無類の甘党だから、ちょこちょこケーキ屋へ行くのだ。

そのお店はぼくの好きなナッツ系のケーキがおいしく、大変気に入っていた。

 

そのケーキ屋さんのレジ下に「アルバイト募集中」の張り紙が貼られていた。

 

「これはチャンス」と思った。

ここでバイトすれば毎日ケーキが食べれるし、大きい声も出さなくてよさそうだ。

即決でバイト先を決めた。

人手不足だったみたいで、面接もパパっと通過できた。

 

ぼくのウキウキスイーツライフが始まる。

そう信じていた。

 

誤算

失敗だった。

なにもかもが失敗だった。

失敗を下記に羅列する

 

①店長がめっちゃ怖い

ケーキ屋さんを立ち上げる男性なんて、みんなジャムおじさんみたいなまったりぼんやりしたおじいさんだろうと思っていた。

違った。

ゴリゴリだった。

金髪を短く切って、小中高柔道部だった30歳前後の男性が店長だった。

めちゃくちゃ怖かった。

「きみくらいの背格好だったら、背負い投げでぶん投げて、一瞬で締め落とせるだろうね。」とよく言っていた。

返事が小さくてめっちゃ怒られる。

大きい声はどの職場でも必要なのだ、と学んだ。

 

②ケーキもらえない

売れ残ったケーキは食中毒を防ぐためにすぐ捨てるらしい。

ケーキがもらえない。

ケーキ食べたい。

美味しそうなケーキをひたすら箱に詰めるしかない。

目の前にケーキがあるのに、ちょっとでも食べたらキレられる。

一度マカロンをつまみ食いしている所を見られて殺されかけた。

 

ちくしょう。

働いている意味がない。

 

③自分がめっちゃ不器用だった。

自分はハチャメチャに不器用だった。

ゴリラのほうが幾分か器用だと思う。

 

ケーキの箱を組み立てるのに毎回5分くらいかかるので、お客さんを待たせまくる。

リボン飾りが作れないので、仕上げが出来ない。

字が汚すぎるので「バースデイカード」が書けない。

単純にレジが出来ない。

焦りすぎて手が滑り、ケーキに手刀をかましてしまう。

 

向いてなさすぎる。

 

 

そんなケーキ屋さんのバイトでしたが

ホールケーキに4回目の手刀をかましたところを店長に見られ

きちんとクビを宣告されました。

 

 

本当にありがとうございました。

生きるのムッズい。

さよなら、My奥歯

歯医者に来た。

左下の銀歯となっている奥歯が、内部から浸食されているとのことだった。

獅子身中の虫とは、このことか。

 

おそらく、このことではない。

治療Start

医師から説明を受ける。

既存のかぶせ物を引っぺがして、とにかく虫歯を削りまくるとのことだった。

かなりの大手術なのでは?

 

「神経無いから麻酔なしで行きますね~」

 

ここにきて4つの歯を治療したが、この医師が麻酔を使っている場面にいまだかつて遭遇したことがない。

もしかして、麻酔が苦手なのか?

 

一抹の不安を覚えるが、治療はスムーズにいった。

かぶせ物を外した際、医師が放った「ありゃぁ…。」という声が不安にさせたが、着々と進んだ。

 

「いったん口ゆすいでくださ~い。」

 

口をゆすぐ、赤黒い液体を吐き出す。すんごい血が出てる。

下で治療された左奥歯を確認。

 

うん、ない。

更地だ。

 

かろうじて根っこっぽいところはあるけど、ほぼゴルフ場のようなまっさらな地形だ。

 

「いやぁ~!この歯はラストチャンスですね!ギリッギリ差し歯使わずにいきましょう!」

 

医師のテンションが上がっている。

俺の奥歯は知らない間に佳境を迎えていたようだ。

 

「じゃあ、また来週もがんばっていきましょうね!」

 

 

…ん?

あれ、奥歯は?

完全なる更地のままですよ?

凹←こうなってるよ?

あれれ?仮で詰め物とかは…?

と、戸惑っているうちにエプロンを外され、待合室へほっぽりだされる。

 

ははぁ、今回は型を取って、来週作った仮の歯を入れるのかな?

まあ、一週間くらいの我慢だ。とあきらめた。

しばしの奥歯との別れ。

受付のお姉さんより宣告

お会計を支払い、次の診療日を希望する。

同じ時間帯だと再来週になるとのことだった。

さすがに2週間歯がないのは嫌ですね~。と告げる。

 

「あ、2週間というか、奥歯はずっとないですよ?」

 

えっ。

 

ぼく、奥歯、ずっとないんですか!?!?

 

衝撃の事実になぜか爆笑してしまった。

受付のお姉さんは慌てたように言う

 

「神経の治療してからなので…。ずっとというか…まあ、数か月は…。だからしばらくガムとか食べちゃダメですね。」

 

そっかぁ。永遠じゃないのか。よかったぁ。

 

 

ってならないよ!!!!!!!!!!

ガム喰えないの!?!?!?数か月!?

 

 

かなりショックを受けた。

突然奥歯とお別れになってしまった。

ずっと付き合ってた彼女が急に外国へ転勤になってしまったかのような衝撃。

虚無感。

 

爆笑しながら家に帰って、泣きながら味噌煮込みうどんを啜った。

かつて奥歯があった場所に、ダイレクトにうどんの熱を感じる。

 

だれか奥歯ください。